Apple Watchこそ「高齢者」向けのデバイスである
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iPhone6とApple Watch、発表されましたねー。
……と、発表から2日後経ってから言ってもだいぶ遅いわけですが……。もう本日12日16時からiPhone6&iPhone6 Plusは予約が始まってしまいます。早い!ついていけない!(どっちを買うか決めかねている)
でも今日お話したいのはですね、iPhone6ではなくて、Apple Watchのこと。
Apple初のウェアラブルデバイス、クラシカルなデザインを併せ持つ新しいインターフェイス、iPhoneと連動して様々なデータを収集可能……などなど、すでにお腹いっぱいのスペックが発表されているApple Watch。
新しいデバイスなのと、発売が来年2015年を予定ということで、iPhone6に比べて「誰が買うの」感も出ているApple Watch。
シーンに合わせた3つのモデルに、取替可能なバンドも搭載して、発表イベントではファッション業界やフィットネス業界へアピールしていたApple Watch。
でも、僕は思ったんです。Apple Watchこそ、高齢者に勧めるべきなんじゃないかって。
健康状態がわかる=離れていても見守れる
一人暮らしのお年寄り向けに、「みまもり機能」がついたポットがあります。メーカーは象印。
お年寄りが毎日お茶を飲む=毎日ポットを使う、という習慣を利用したこの機能。ポットの状況や使った時間などを記録して、離れて暮らす家族にメールをしてくれます。家にいるはずなのにポットを使ってない…となると、これは一大事なのでは?とわかるわけです。
言わずもがな、日本はこれから高齢化社会がやってきます。「離れて暮らすお年寄り」の数も増えます。遠く離れて暮らす家族から、状況を知りたい、というニーズも増えるでしょう。
ここにApple Watchがハマるんじゃないかな、と思うんです。
Apple Watchには様々なセンサーが含まれています。心拍センサーで体調もわかります。GPSで移動距離もわかります。ジャイロセンサーで腕を動かしているかもわかります。
ポットでは「お茶を飲んでいるかどうか」がわかりましたけど、Apple Watchだと健康状態が測れるんです。
ネットにつながっていますから、Apple Watchが計測した健康状態の情報は離れていてもわかります。アプリにデータをかませれば、グラフ化などの分析もできるでしょう。データに大きな変化があったら、医者に直接をつなぐ、なんてこともできるはずです。
抵抗のない「腕時計」型デザイン
もうひとつ、Apple Watchが優れているのは「腕時計の形をしている」ということ。
今までもネットをつかった遠隔の健康管理システムってあったと思うんですけど、PCやタブレットやらスマホやら、まずデバイスのことをわかるのに時間(教育コスト)がかかると聞いたことがあります。
Apple Watchは、従来の腕時計に近い、クラシカルなデザインになってます。竜頭に似せた「デジタルクラウン」というスイッチもついているほどです。パッと見て「あ、腕時計だな」とわかる形です。
腕時計ぐらいの大きさだと、ディスプレイも小さいし操作も限られるのでは、と思いがちですが、「操作が限られる=少ない操作で動かせる」と発想を転換させて、アプリを設計すれば、スマートなものができそうです。もちろん文字は大きく、最小限にして。
また、デジタルクラウンのUIもお年寄り向けだと思います。「竜頭をグルグル回す」動作はお年寄りもやったことがありますし、「ダイヤルを回せば拡大」という動きは顕微鏡を例に出せばイメージしやすいでしょう。
なにより、お年寄りには「腕時計をつける」習慣が身についてる人が多いです。「スマホを持ち歩く」より「腕時計をつけて出かける」ほうが抵抗が無いですよね。
もちろん解決すべき点も
最大の難点はバッテリーですよね。毎日充電が必要、というレベルだと、1回充電を忘れたら面倒になって2度使わなくなる……なんてことになりそうです。
あと、詳細なデータが取れるだけに、行き過ぎると「監視」っぽく感じる人もいるかと思います。突然家族から電話がかかってきて「なんで◯◯にいるの!?」って言われたら気持ち悪いですよね…。
いろいろ考えないといけないことはあれど、Apple Watchをファッションやフィットネスの用途に限るのはもったいないな、と思うのです。
Appleの発表では、スポーティなAppleWatchをつけた男女がトレーニングをしていたり、華やかな衣装を身にまとったモデルが腕にAppleWatchをつけていました。
しかし、もっと身近で、必ず訪れる未来。高齢化社会にApple Watchはきっと新しい体験をくれると、僕は確信しています。
ちなみに、冒頭で紹介した象印のみまもりポット、商品名は「i-Pot」といいます。
ダジャレのつもりが一周回ってきたみたいな、なんだか不思議な巡りあわせを感じるのでした。