遊びゴコロがある「通知」が届くアプリ、『Ping』
お構いなしに通知が来る。だけど、憎めない。
『Ping』は……とても説明が難しいんだけど……「通知」が来るアプリ。
そんな通知くれるアプリなんていっぱいあるじゃないメールとかSNSとか天気とか、と言われると思うんですが、いや、そうじゃなくて……なんだろ、「お便り」が届く感じに近いんだよなぁ。
まず起動するとこの画面。ちなみにユーザ登録などは一切なし。
さっきの黒い穴をのぞくように、わっと広がって出てくるのがこちらのメイン画面。
ね、なんのアプリかさっぱりわからないでしょ。
並んでいる項目はニュースで言うなら「ジャンル」みたいなもの。”apps worth downloading(オススメアプリ)”とか”Trending on Twitter”のような実用的なものから、”Daily fortune cookies(フォーチュンクッキー)”などのお遊び要素まである。
とりあえず興味がある項目を2回タップすると「ピーン」と鳴って登録される。
ここではそれだけ。あとはこのアプリのことは忘れて生活する。
しばらくすると、チェックした項目について通知が届く。どこかのニュースサイトにリンクされるわけでなく、2,3行の英文で完結している。
全部英語だし、欧米の時間帯がベースなので日本時間だとやけに朝早く届いたりする。
ただ、それだけのアプリ。だけど、なんか良い。
右上の●をタップすると、これまで通知された項目を振り返れる。
名言や、金曜日の訪れを喜ぶだけの”Is It Friday yet?”、「At a movie theater,which arm rest is yours?(映画館のイスの肘掛け、どっち側を使う?)」といった”Random thoughts”など、どこか憎めないお知らせが続く。
ポジティブだったり、考えさせられる内容だったり。通知の仕組みを使って、日常にちょっとしたスパイスをふりかけてくれる。「通知」なのに、なにか行動をうながすのでも、強く主張するのでもないのが、心地いいんだと思う。
この『Ping』、開発したのは完全匿名SNSで話題になった『Secret』のチーム。誰が書いたかも、誰に宛てるでもない、でも心をつかまれるメッセージが流れる『Secret』。そのボトルメールのような浮遊感を、「通知」の形でパーソナライズしたのが『Ping』、という感じ。
もし、Siriが自分から話しかけてきたらこんな感じかもな、という人工知能的なおもしろさもあります。誰か日本版作らないかな。